レッドチケットの加護を手に入れた

慣らしが終わった。オイルも変えた。

それで、久々に結構朝早くから家を出て秩父に向かった。

奥武蔵グリーンラインで今日もひっそりハングリアン民族ごっこを楽しむつもりだった。

が、久々に鎌北湖側から入ったら、思いがけず通行止だった。迂回のために普段は使わないR299に出る。

前方にバイク集団がいたので、同じペースで走れば楽かなと思い、ほどほどに追いつこうとアクセルを開けた。

そうしたら、路端にいた工事のおっさんみたいな奴が、赤い棒かなんかもって道路に出てくる。バカかコイツ?と思ったら警官だった。

ぐ、と思い振り向けば移動式オービス。「赤でーす!」

なん・・・・だと・・・!?

正直に言って赤切符は初めてではない。もちろん、違反をしたのが悪い。しかし、しかしだよ・・・。そこまでぶっ飛ばしていたわけでもないだろうに。

書類書いてる間にコールしながら走り去る族は捕まえねえし。まあ、スピードは違反してないだろうけど。

「こういう取り締まりはどうしても不公平なものなので。」と警官に言われてしまっては返す言葉もない。

サインをする際に、クレジットカードのノリでサインしたら、汚すぎるので書き直せと文句を言われた。(俺はカードのサインは偽造防止のためにわざと崩している・・・し、そもそも字が超下手)

「検察の心象も悪くなるので」とか抜かすので「心象でネズミ捕りを見逃してくれたことなんて一回もないでしょうが?」とせめてもの抵抗をしても虚しいだけであった。


まあ、反省はしている。いるともさ!

何をって、速度超過したことそのものではない。それはまあ悪いが、実際多くのライダーもドライバーもぴったりでなど走ってはいないだろう。パトカーですら、移動中は必ずしもきっちり制限以下ではないこともある。そんなものだ。原理原則で言えば悪いのだろうが、ただそれだけで「道路を走る権利はない」なんて言うのは過剰な正義というものだろう。本当に走る権利がない人のために免許取り消しという罰も決まってるのだ。それこそ法令を遵守するならば、法令が定めた以上の非難はお門違いというものだ。

俺がひどく落ち込んで反省しているのは、前方にネズミ捕りの警官を目視していながらそれと認知せずに減速しなかったことだ。

ネズミ捕りなどやっていれば、たいていの車は直前でブレーキを踏む。それがあからさまだったとしても、計測器の前で減速できていれば警察も捕まえはしない。「お前ブレーキ踏んだろ?踏む前は速度超過してたよな?」なんて詰め寄る警官はいないのだ。たぶん。そんなには。

要は、ある意味で警察も逃げ道を用意はしている。

が、それを認知できていない程度の注意力で走行していたということが、俺の最大の失態なのだ。


もちろん、大きな理由はまだ新車に慣れていないことがある。

しかもBMWはハイテクでやたらボタンが多い。走行中にいじる必要などないが、目新しさもありついつい気を取られてしまう。それに、久々の大型車の感覚にも慣れていない。逆に、慣らしが終わり浮かれていて、アクセルを開けてみたい欲求でいっぱい。

そんなだから、ネズミ捕りも見落とすし、あるいは事故にだって遭ったのかも知れない。

なので、悔しいが「不注意な運転をしようとしても(違反点数が気になって)なぜかグッドマナーな走りをしてしまう加護」を買ったとでも思う事にするしかないか。

散漫な注意力で見落としたのが婆さんや子供でじゃなくて警官で良かったと。そう思うべきなのだろう。

というか、前のNinja250SLも、慣らしが終わって最初のツーリングで白バイが真後ろにいるのに「なぜかビクスクのおっさんが煽ってくる」と勘違いしてぶっちぎったら捕まったのだった。その後、無違反でここまで来ていたのだけど・・・。確かに気が緩んでいたのかも知れないか・・・。

まあ・・・これを戒めとして無事故無違反に努めます。はい。


#追記

1ヶ月かそこらで、検察庁から「お聞きしたいことがある」と手紙が来た。
出頭を拒否しても良いことはないので行くと、定年間近の検察官?が、小学校の先生ってこういう机だったよなという感じのスチール机で待機。

調書を読み上げられ、事実確認・・・・といっても、レーダー用紙が貼ってあるので否と言っても始まらないし。「スピード出てるってわかってた?」と聞かれて「わかってないけど出していたつもりはないですよ。周囲の流れに合わせてたつもりですし、実際ひとりだけエラく早く走ってたわけでもないですし。けど、そこに測って出てたっていうならそうなんでしょうね」と不貞腐れて回答。

淡々と手続きの説明があり、10分ほどで終了した。その後に裁判所から略式の判決が出て罰金の金額記入済み赤切符が送付され、さらにその後に納付書が来る、それで払えばこの件はおしまいです。とのこと。

罰金は5〜10万円。裁判官が決めると。
で、ただし、免許センターは別なので追ってそっちからも連絡が行くよと。はいはい・・・。


最後に、「この際だから聞いておきたい、言っておきたいことなどはありますか」と聞かれ、あんなところでネズミ捕りやってスピード違反は犯罪だから見逃せんと頑張って、でもトップの賭麻雀はスルーというのはやはり理不尽ですよね?と言ってやりたく、1分ほど沈黙したが・・・この担当官に言っても無駄なことだし、現場の警察官は堂々と「理不尽です」と居直っていたので、今更どうこうもないなと。

「何もありません。すみませんでした。」と言って終わりにした。



まあ、正直なところ、10万円以下の罰金は、学生時代ならともかく今の俺の経済状況にとって大ダメージではない。それだけでいいなら、また違反しても払えばいいか、という気がしてしまうかも知れない。

けど、この理不尽、不条理に対する憤懣は堪え難いものがあり、これをまた味わいたくははないから、今後は捕まったりするような迂闊な走りはしないようにしようと誓った。

そういう意味ではまあ、結果的にはよくできてるシステムなのかも知れない。

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