ハングリアン民族はクリスタルを求めて


我々は誇り高きハングリアン民族の末裔。自然を旅する。


その昔、日清のカップヌードルはパリ・ダカールラリーのスポンサーで、「ハングリアン民族」というキャッチコピーでCMを放映していた。


当時幼かった自分はそのワードは覚えていなかったが、砂漠を疾駆するバイクと、黄昏の中、焚き火で湯沸かししてカップヌードルをフォークで書き込む映像はひどく印象に残っていた。

こんなの↓




真似して外でカップヌードルをフォークで食ったりもした。

そして学生の頃、バイト代で最初に買ったバイクはサファリラリーのクラス優勝という栄誉とともに、ワインディングから砂漠まで場所を選ばず駆けるというイメージで売り出していたTDR250R。

こういう流れであれば、いよいよここに来て、「金はなんとかなるが時間がない」なオッサンらしいステータスとなった俺が、BMWのGSシリーズに乗るというのはもはや必然でしかない。

そして、それで手始めにやることは砂漠に行くこと。・・・だったら良いし、子供の頃にはそんな夢も持っていたが、自分を客観視できるようになるにつけ、そもそもそんなことをできる強靭な肉体もメンタルも器もないということがよくわかっているので、とりあえずそこらの山でカップヌードルを食うことが、最初にこなすべきミッションとなる。

「バイクに乗って」「砂漠で」「カップヌードルを食う」という夢の66%ほどは叶えるわけだから、きっと幼き日の俺もそこそこの納得はしてくれるであろう。


まあ、慣らしを兼ねたハングリアン民族的にはどこの山でもよかったのだが、手始めに人気のないところをと思い、知る人ぞ知る酷道、とは言え全線舗装の林道であるクリスタルラインを選んだ。

クリスタルラインに向かう途中。あの山を越えるのだ。・・ろうか?


我が彩の国、そして甲斐の国のそれぞれ奥部の山々をつっきる全長60km以上の林道は、前のバイクNinja250SLで何度か走って非常に楽しかった覚えがある。

入り口付近のぶどう畑を俺は「プロヴァンス」と呼んでいるし、出口の方には「森のラーメン」もある。

と、ウキウキして出かけたけれど、まだ冬季通行止だった。

仕方ないので、とりあえず手近に適当な山っぽい良い眺めで静かなところに行きたい。

同行していたXSR700のぴー君が「雁坂トンネルは今は無料」とスマホをいじりながら言うのでR140で北上。

ダム湖の名前忘れた。が、ロックフィル式はちょっと面白い。


雁坂トンネルが無料開放中という話はガセだった。虚を突かれて、料金支払いにだいぶ手間取ってしまったが、トンネルを抜けておなじみの秩父で適当な川辺にて、



ハングリアンスタイルの昼食。

まあいずれにせよ、この日の走行で慣らしもだいぶ進んだ。


GSはローシート仕様だが、俺の足の短い脚には微妙につらい。両足のつま先が微妙につかない。

少なくとも道路を走る上で踵がべったり着く必要性は感じたことがないが、つま先が左右同時に突かないと、発進停止時のステップ踏み替えが厄介だ・・・・。

それに、BMWの説明としては軽いというF−GSシリーズだが、R−GSと比べて少し軽いったって200kgを超える、つまり小錦並みの質量が軽いはずもなく、押したり引いたりでいちいちぐらつく。

それはちょっとつらいが、前のバイクとの差による不慣れの問題もあるだろうから、エンジン慣らしとともに俺も慣れていくしかないだろうな。




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