突然ですが、 GSならばキャンプツーリングなんかも快適だろうと思ったんですよ。買うときに。
それまでのNinja250SLは軽くて楽しかったけど、いかんせんキャンプ道具を積むと、まあ積めなくはないけどちょっと快適とは言い難く。
パニアは買ってないけど、そもそもパワーもフレームも強く、キャリアもあるし、長距離は楽だし。それでキャンプツーリングなんか行こう!と思っていたのに、仕事は忙しいはコロナ騒動はあるわで、気がつけば寒くなっていて。
それで慌ててシーズン最後のキャンプツーリングだ!と思い、同僚でもあるP君と予定を合わせていたのだけど、結局仕事が押していて断念。P君もだけど、俺も土曜日は仕事の進捗回復に費やしてしまったのがこの週末。
が、せめて日曜日はと、疲れたメンタルに鞭打ってツーリングに行って来ました。まあ、ツーリングに行けば体は疲れるけど、私は仕事で体はまったく使わないし、メンタルはむしろ癒えるので。
綿密な計画はないけども、今年覚えたいくつかの林道を繋げて走れば結構走りごたえがあるのではないかという気がして、ともかくそういう方向に走ろうということにした。
つまり、横尾山林道、金ヶ岳林道、御荷鉾スーパー林道を繋いで走るのだ。GSに相応しい、フラットダート三昧。
前日もわりと遅かったので家を出たのは10時頃。
で、最初に一息ついたのが、
横川SA。
天気はすこぶる良い。ここで、高崎の鶏めし弁当を購入。前にビーナスラインに行くためにここに来たときは、横川の釜飯を知らない田舎者(と言うか関西人)のP君に付き合って釜飯を買ったが、そのときに鶏めし弁当も売っているのを発見していた。
この「たかべん」の鶏めし弁当は駅弁ファンなら知らぬものはいない有名弁当。新幹線の出張では常に駅弁を楽しみにしているが(なので昼が移動時間にあたるように会議時間を設定する!)、名古屋の名古屋コーチンを使ったという鳥飯弁当などと比べても、やはりこのたかべんのものが弁当としての完成度では一枚上手。なのだが、コロナ騒動以降、東京駅での販売がなくなり食えていないので、ぜひここで買いたいと思っていたのだ。
弁当だけ買ったらそそくさと出発。一気に佐久まで走り、そのまま中部横断自動車道へ。
この、思い切り南北に走るのは普通は縦断じゃねえのか?つうかここ中部なのか?という突っ込みどころはともかく、無料開放されている高速で一気に八千穂高原まで。
今日は俺にしては珍しくナビ(Google Map)を使う。信州峠を行先とし、
レタス畑エリアへ!
前方は八ヶ岳ですかね。
そういえば、今日からスクリーンスポイラーが付いてます。
ワンダーリッヒのは2万円くらいのがいいなと思いつつ、こんなの効くのかわかんねえしなあ・・・とAmazonを眺めてたら、そっくりなものを2000円代で見つけて購入。中国からChina Postで直送されてきたものは、「この金具、同じ型で作ったろ?」といった感じなだけあって取り付けは非常にしっかり。
背中を丸めなくてもホーネットADVのバイザーまでが防風領域に収まり、首にかかる圧力や振動が激減。しかも、風切り音がぐっと静かになり、高速走行中にインカムで音楽を聴いていてもシンバルとエレキギター以外の音がちゃんと聞こえるように。
おかげで、さいたまから佐久、八千穂高原まで200kmくらいをほぼ一気に走っても疲労感を感じることもなく。これぞGSの真骨頂というところなのだろう。
これなら2万円出しても良かったかも知れん・・・・。
そして、もうひとつ。前日にワークマンで2900円で買ってきた防風ストレッチパンツ(ゴツいのでなくてペラペラのスリムなやつ)が、これまた良い仕事をしている。風圧を受ける太もも部分はそれなりに冷たさが伝わるが、風が入ってるというより布自体が冷えてひんやりするという程度で、たいしたことがない。
走りながら足を開いたり手をかざしたりして確認したが、F850GS Adventureほどでないにしろ、F850GSもラジエーター周りにボリュームがあるので、これが結構風を避けている。足元は無風とはいかないが、直撃の風圧には程遠い。それも相まってかも知れないが、気温数度程度なら全然問題ないなという感じだった。
GS本体も含めて、スクリーンスポイラーにズボンと買い物が上手く行ったことに満足して、初めてバイクでナビに従いつつ走って・・・
レタス王国(川上村)の国境に到着。(かわかみおおはし)
信州峠に付いて、確かこの辺に横尾山林道への入り口があるはず・・・と探していると、
違う林道を発見。林道松平線とある。ツーリングマップルによれば「砂利ダート5km」。
砂利ダートというのが、フラット砂利なのかガタガタ砂利なのかよくわからないが、見た感じはとてもフラットな気配。
5kmということは、時速20kmで走っても15分だ。せっかくなのでここも通ってみることにしよう。
入り口でタイヤの空気をせっせと抜いていたら、トコトコ系のオフローダーの方が林道から出てきて隣で逆に空気を入れ始めた。俺は気が急いていてメットも脱がずに作業に勤しんでいたのだが、こんにちは、と声をかけてくださる。
「それで行くんですか?」とブロックのないタイヤのGSを指して聞かれるので、はい、と。「フラットでしたか?」と聞いてみたら「フラットとは言えない」旨の回答。まあ、行けるとこまで行ってみますよと言うことでいざ。
起点あたりはひらけていて、なんとも明るいいい気分の道。尾根を走るというよりは谷を走る感じだった印象だが、狭く暗い感じではくなだらかで、前方に瑞牆山が見えているのがまた良いアクセントになっている(ならそれを撮っとけという話だが・・・)。
後半、やや砂利の粒度が荒くなったり洗堀が出来ていたりもしたが、まあそうヤバいレベルのものでもない。停車するとキツそうなレベルではあったので写真はないけど。
入り口で話した時に、パワーがあり過ぎるのではと言われたが、走行モードをENDUROにしておけば、わりとアクセルに対してダルい反応をするようになるし、何度かやらかしてリヤがスライドしても、なんかいい感じに介入して姿勢を立て直してくれるので、結構平気だ。
* なお、ここで言う「リヤをスライド」とはコーナー出口でパワードリフトというカッコイイ話ではなく、登りでリヤのトラクションが抜けてバランスを崩すというダサめの話である。そういう時にそのままズザーっと回ってしまわず勝手にトラクションを回復してくれるのがGSのテクノロジーなんだろうなと。なるほど、アドベンチャーしたいがローンを組める信用と引き換えに腕も体力も失ったおっさんには最適なバイクだと言えよう。
松平林道を抜けて増富ラジウム方面に。
そうだ、松平林道の雰囲気はどこか、クリスタルラインから増富ラジウム温泉方面に抜ける際の林間コース・・・俺がかねてより「ティモテっぽい」と評しているところに似ているんだ。
なお、ティモテっぽいとは「北欧っぽい」という意味である。北欧に行ったことはないけど。
↑まあ、わかる人(昭和男子)には説明せずともわかるだろうけどこういうこと
気に入ったので来年また来よう。
さて、北欧からシュバルツバルト(黒森)方面に走って、もとの信州峠あたりに適当に戻ってくる。
ちょっと探すと横尾山林道終点があった。次はここだ!と思ったが、こんなだったっけ?入り口というか出口というか。
10mくらい入ったらゲートがあって、作業の人が開けて通過するところだった。手で大きくバッテンを作り、ここはダメだと。うん、知ってます。
道を間違ったようで、通行止めの東側に来てしまったらしい。
林業関係者とおぼしき老人は、ここは通行止めだし、バイクなら左から入れちゃうけど出口もゲートだからダメだと。そんな警戒しなくても最初から入る気ないですよ・・・。
引き返して道を下り、もう少し西へ走る。
なんかこの辺かなという感じのところで適当に細い道に右折。
なんかゲートがあって行き止まる、その右手はさっき通行止めだった横尾山林道の反対側。
嫌にゴツい舶来の南京錠がかかっているが、さっき老人が行っていた「ここら一帯のは特殊だから絶対に開けられない」とか何とかってのはこのことか。
いやだから、たとえ100均のダイヤル錠でも、鍵掛けてあるものを敢えて開けないから、別に・・・。俺はGSに乗り換えてからというもの、これからは中年らしくジェントルマンなライダーになろうと心に決めているのだが、そんな極悪オフローダーに見えるかなあ?
まあ、それだけ、過去に強行突破した連中がいるということでしょう。そういうのはダメですね。節度をもって楽しみましょう。
ということで、左手のゲートオープン側。
うん、前回は反対から来てこんな場所から出てきて、無事に転けずに林道を通過できたことが心底嬉しかったのであった(その前にGS初林道でいきなり転けて撤退したので)。
この道はやはり絶妙にフラット。使われている道という感じがある。けど、ANAKEE IIIはやっぱり特に横方向にはよく滑るので、コーナーはトコトコと徐行しつつ。
ちょっと止まって眺めたら、実は富士山が頭を出していた。
初冬の日は短くて、さっきまで昼だったのあっという間に影が伸びる。それこそティモテの世界のように低い太陽。
だが、青暗く山の影になった道から、ぱっと開けて眩しい斜光が差し込む瞬間に、いちいち気持ちも明るくなるのが楽しい。
さて、無事に起点まで着きました。起点ゲート付近も紅葉を過ぎて枯葉の積もった林間の広場といった風情で、本来ならじっくりと余韻にひたりたいところだったが・・・。
時間もないので、一服しつつ地図を確認し、日没時間を確認し、日が暮れるまでにどこまで行けるか考える。
というか、さして考えなくても、金ヶ岳林道、雁坂トンネルを抜けて御荷鉾スーパーなんてのは絶望的に無理な時間であるのは明白だった。
御荷鉾スーパーは完全に諦めるとして、金ヶ岳林道はどうだろう?間に合うか・・・?
日没までは1時間強しかない。林道入り口のゴルフ場までは26kmとある。まあ、急げばギリギリか。知ってる道ではあるし。
ということでやってきたけど、またいつもと逆コースなので、
ここのトラップにハマって右に進んだら変な私有地っぽいところに入ってしまいUターンしたり。ここは舗装が切れてる側、左が正解。
で、しばらく行ったら左にカーブしながら登る坂の左手にゲートが。
ここは横尾山林道よりもっとフラット。
そして、急いでいた理由のひとつ、行きがけに買ったきりだった弁当をここでようやく食う!
ちょっとシェイクされてしまってるけど。ご飯にも味がついてる上に、のり弁。そして上からコールドチキン・照り焼き・そぼろと3種の鶏肉。
そしてサイドメニューがまた、肉分プラスのハンバーグに、食前に食べたい梅干し・食中にちょいちょい摘める野沢菜漬け、こんにゃく、そしてデザート感覚の栗と。非常にバランスよく出来ているのだ。
夕暮れに煙る山々を眺めつつ。持ってきたチェアに座って弁当を味わう。実に美味い。ちょっとだけ寒いけど。
食後は、ポットに入れてある暖かいコーヒーを飲みつつ一服。日が暮れつつあり、さっさと山を出ないといけないが、逆にこんな時間にこんなところで飯食って一服している状況にえもいわれぬアドベンチャー感を見出して満足する。
・・・が、あまりノンビリしてると本当に日が暮れてアドベンチャー「感」で済まなくなってしまうから、煙草1本でさくっと片付けて、観音峠方面へと進む。
観音峠から、昇仙峡ラインでこの前の金櫻神社。
ほぼ日が暮れてよく見えない昇仙峡・・・。でも、初めて通った。途中でどっかで見たことある棒みたいな岩峰もちらっと見えた。そして、観光客多かった。
その後、ここに出てしまった以上は仕方ないので、気が進まない中央道へ。案の定の渋滞50km。山梨で温泉でも入って夜中まで待てば空くのだろうけど、晩飯までに帰ると妻子に言って出てきてしまったので、頑張って帰ることに。これは非常に疲れた・・・。
電話して遅くなると言えば済むという考えもあるけど、約束を破ってばかりだと信用が損なわれるし。
ということで、この日は結局、当初思ったように御荷鉾スーパー林道には行けなかったけど、代わりに松平林道を初走破して横尾山林道、金ヶ岳林道と行けたし、鶏めし弁当も食えたので良かった!
反省点としては、もうちょっと朝早くに家を出るべきだということだろう・・・。
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