真夏はあまり走りに行けないのは毎年のことだけども、初夏の開通以来、また台風でも来ないうちにさっさと行かねばと気にしていた川上牧丘林道に、8月末になりやっと行って来ました。
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一言でいえば、楽しかった。けど暑かった。 |
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佐久SAのモニュメント、「飛躍」。 鯉は長野では観賞魚である前に歴史ある食料である。 |
埼玉県民の俺がそう認めざるを得ないのは、彼の地の林道の復旧の頑張り具合が素晴らしいからだ。2019年の台風以来、埼玉・群馬の道はいまだあちこち閉鎖したままのところが多い。とりわけ、中津川林道・十石峠・ぶどう峠がまとめて通行止めのままなのはちょっとおかしいだろうと思う。
ということで、今年も長野にふるさと納税を・・・したと思ったけど、よく考えたらシャインマスカットは長野を越えて山梨だったわ。長野は・・・ハムかなんか探せばいいのだろうか。
まあ、そんな与太話はどうでもいい。
中津川林道が未だ不通なのは残念だが、同じくらいメジャーであろう川上牧丘林道。フラット林道の代表みたいに言われる中津川林道に対して、わりとガレているのが川上牧丘林道。
でもなぜかオンロードバイクで走る人がたまにいるし、俺もNinja250SLで走った川上牧丘林道である。
その時の記憶としては、ともかくガレていて死ぬかと思ったというのはちょっと大げさだが、コケてバイク壊れるんじゃないかとは思っていたが、今回、F850GSにブロックタイヤ(ANAKEE WILD)ですから。きっと楽々なんだろうと・・・。
先の通り、三国峠も十石峠もぶどう峠も越えられないわけなので、北の碓氷峠側(つまり上信越道)で回り込む。なので、横川SAで俺がもっとも美味い駅弁と認定しているたかべんの鶏めし弁当を買って行こう。
・・・と思っていたのに、高速でちょっと考え事をしていたらうっかりSAを通り過ぎてしまった・・・。無念。
いったいどこで飯を調達しようと思いつつ、林道アタックの前に蕎麦屋とかに入る気にもならずで・・・つうか、そもそも川上村に向かう道すがらにはろくに店はなく・・・。
結局、川上村のNANA'Sで弁当を調達した。この店、秩父側からツーリングに来た場合にも夕方の軽食としてイカフライ買ったりとよく使っているから、もはや会員カードくらい作った方がいいかも知れない。
NANA'Sからほどなく、おなじみの分岐をおなじみで間違えて右に行って、100mくらい先でUターンして来た。
このあたりのキャンプ撲滅圧力は凄い。初めて来た時には、あまりに多いキャンプ禁止看板に、そこまでムキになって排除しなくていいだろ!よっぽど高えキャンプ場を無理にでも使わせたいのかよ!と正直、嫌な気分になったのだが。
いちどこの林道を登りきってからは、そういう風には思わなくなったので、今は心穏やかにこの看板をすり抜ける。
大弛峠の看板もあいからわず半端に廃れている。
天気も良いので、白樺の林がとても綺麗だ。まさに信州。
なぜか知らないが「ジャムとハムがうまそうだな」という気持ちが湧いてくる。
そのままやや進み、林道が本格的なダートになる直前で、先ほど調達した弁当を開く。同じ売り場でステーキ弁当よりロースカツ弁当よりも高価だった豚焼肉弁当(599円)。
「信州太郎ぽーく」なる肉を使っているようだ。味は普通に豚焼肉で美味かった。驚くような何かはなかったけど。敢えて言えば、印刷されているラベルには「ポテトサラダ、レタス」等の原材料記載があったが、俺の乏しい観察力ではそれらを弁当箱内から発見することが出来なかったことには少し驚いた。まあ、きっとその分だけ肉でも多くなっているに違いない。
まあ、次回このルートを使うなら忘れずに鶏めし弁当を買って来たいな。ナナーズの弁当も悪くはないが、
鶏めし弁当は本当に完成度が高いので。
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これ。出張の新幹線でよく食うし、去年の秋には金ヶ岳林道で食べた。 |
足元には可憐なホタルブクロも。プリティーだ。
秩父でよく見るヤマホタルブクロじゃなくてホタルブクロじゃないかなと思う。
ガクの膨らみがなかったような。
あんまり爽やかだったので、10秒程動画撮ってみました。
渓流を眺めつつ弁当を食い、魔法瓶のアイスコーヒーを飲みながら一服していくと、ちょこちょことオフローダーがダートに突撃していったり逆に降りてきたりする。テネレ700を2、3台見た気がする。同じ人が往復してたのではなかったと思う。箱があったりなかったりした気がするし。人気だな・・・。
さて、そろそろ俺も。F-GSの走破性を見せつけてやろう。いや、誰も見てないけど・・・。
通行注意の警告は物々しいが、まあ最初はフラットなものだ。
しばらく進んで沢をまた渡り。
林間なんだけど、なんだか明るくてひらけた印象。ここだけじゃなくて、長野の林道はそういうのが多いイメージ。
突然現れる堰堤は、ちょっと要塞か遺跡のような佇まいに見えなくもない。気がする。
少し進んだところに広場的なところがあり、いったんそこで休憩。
ライケン。あるいは、サルオガセか、カラタチゴケか。ともかく地衣類。これを見るとなんか高山に来た気になる。アルプスって気がする。
さて、川上牧丘林道の本領はこのあたりからだ。大弛峠に向けて、人頭大の石がゴロゴロする荒れた道にハンドルをとられがちになる。傾斜も急になるが、石の浮いた不安定な路面のためにリヤタイヤもあっけなく空転する。
なかなかにキツいが、オフロードの醍醐味という感じもある。あるし、面白いのだが・・・意外にあっけなく登りきってしまった。以前にNinjaで来た時には「まだか・・!まだ頂上には着かないのか・・・!?」という焦燥感とともに登った記憶があるのだが、今回はなんだか、「あれ、もう頂上か?」という感じ。
とは言え、そのハード区間の写真が1枚もないのは、おいそれと停車できるほどのゆとりもなかったという証左でもあるのだが。
そして後から、日本地図の権利か何かで引っかかっているのか?ナビ機能が使用不可で役立たずと評判のBMW Motrorrad純正アプリでログを見れば、
DSCだっけか?電子制御がめちゃくちゃ作動していた。これは本当に優秀だと思う。平らなところで試した感じでも、リヤがグリップを失って横にスライド(不本意パワースライド)した際、さりげに介入してよくわからないうちに何となく体制が立て直っている感じ。昔にオフ車に乗っていくらか林道を走ってみた時には、自分の雑なアクセルワークもあり、よくくるんと回って転けていたのだけど・・・。その頃の250ccに比べてて大パワー・大重量であるにも関わらず、バイクが暴れてどうにかなってしまうという感覚がむしろ無い(もちろん、それ相応の自制のもとでの話ではあるが)。
いやあ、BMWのテクノロジーはすごいですな!こういう時、無理して高い買い物をした甲斐があったと無駄に満足してしまう小市民。なお、他のバイクにどんな電制がついてるかは敢えて見ない。
さて、ほどなく林道の横に大量のクルマが駐車しているのが見えてくると、いよいよ峠だ。山梨側からの舗装路を登ってきたハイカーのクルマが、峠の駐車場や舗装路から溢れて林道にも停めているのだ。中にはポルシェなんかもあって驚いてしまうが・・・。
こんな感じが数百mは続く。人はクルマの数ほどは多くない。それでも、なんとも凄い賑やかさだ。林道入り口でキャンプ禁止の看板がしつこいのは、たぶんこれだけ人が多いからなのかなと。許してしまえばテント村になってしまうのだろう。
この道は良いが、この頂上の賑わいだけはいま一ついただけない・・・。頑張って山奥をはしって来たと思ってこうなると、ちょっと興醒めなんだよな・・・。まあ仕方ないけど。
ところでこの林道はなぜかいろいろなバイクがチャレンジしてくるものだけど、やっぱりそこそこオフロード走破性のあるもので来た方がいいと思うなあ。
峠付近の大きな石はなかなかキツイと思う。崖や泥濘ではないから進退窮まることはあまり無いと思うけど、転ける可能性は結構あるような。
まあ、俺も前にはセパハンで来たわけではあるが・・・・。
今回も、ANAKEE WILDは実に良い仕事をしていたと思う。これじゃなくても登れる道ではあったとしても、やはり安心感が違う。メジャーな道だけあって、何度か四輪とすれ違う場面もあり、そうした時にはだいぶ路肩に避けないといけないわけだが、やはりコントローラブルだし、そのまま停車した場合の再発進も比較的楽。
F850GSはそれなりに重いけど、パワーも相応にあるので、1速の低回転でもとことこ登れるのがいい。前に250のNinjaで来た時には勢いで行かないと登らない感じだったので多少強くてもアクセル開けていかないとダメという感覚だったけど。
とは言え、ガレてるところはゆっくり行き過ぎるとかえってハンドル取られる気もするので、行けそうならガッと突っ切る感じで走るのが良いと思った。そういうことも、車体とエンジンとタイヤ、そして電子制御のおかげでイージーになっているのだろう。
ただ、高速道路はやはりロードノイズがうるさいし、乗り心地も悪い。次回のタイヤをANAKEE ADVENTUREにしてみようかなと言う気はちょっとしている。それで、「やっぱ林道ダメだ」と思ったらその次からはもうロード性能は諦めてブロック一筋で行けばいいかと。
一応こんな終点の標柱もあったり。
でもせっかくなので、「夢の庭園」というのに行ってみることにした。結構まともに登山道を登るハメにはなって、この日の暑さもあり大汗をかいたが、まあ15分かそこらで・・・
絶景かな。重畳なる山々の、深緑から蒼く霞んでいくグラデーションが美しい!
群馬側の山には尖った岩が。貫入溶岩なのかね。
今調べたら、300万年前までの噴火活動による本宿カルデラにおけるデイサイトの貫入によるメサなど、らしい。Wikipediaの引き写しだけど。
大弛峠の「夢の庭園」の足元はこんな。初めてこの峠に来た時は、なんでこんなところに庭なんて作ってしまうんだ?と思ったけど、そうではなくて、自然の巨大な転石と潅木がまるで庭園のような場所、ということらしい。とは言え、木道が整備されているので、ここまではドライブついでに登ってくる家族やらも多い。
さて、川上牧丘林道のダートは楽しかったが、そろそろ移動をしないと。
いろいろ思案したが、とりあえずは同じ道を戻るのではちょっとなということで、山梨側、クリスタルラインでおなじみの牧丘方面に降りた。
牧丘近くのプロバンスと俺が読んでいるエリアでは、シャインマスカットが熟れてカバーをかけられていた。先日ふるさと納税で入手した「樹上完熟シャインマスカット」もこのあたりでこうして作られたのであろう。実に美味かった。また貰おう。
牧丘から、R140を北上して雁坂トンネルで秩父に抜けるということは考えていた。そのまま御荷鉾スーパー林道なんて行けないかなと思っていたが、地図をよく見たらとても遠いので行けないなこれは。
ということで、少し前にネット徘徊中に見かけた林道を思い出した。
三富あたりで左に、乾徳山に向けて道を入る。
細めの舗装路をくねくね分け入るとこんな看板。
たぶん道は合っている。ただ、細くて面白い道だが、行けども行けども舗装路ではある。
と思っていたら、おもむろに砂利道に。
牧場の中のようなひらけた草原を行く。見通しが良すぎてペースをあげたら水を流す溝が切ってあって、今日いちばん転けそうにになった。けど、フラットという意味では御荷鉾より横尾山よりフラットな気がする。
やけにひらけていると思ったら、つまりはこう。メガ?ソーラー。どうも俺にはこれが”クリーン”エネルギーだとは思えないので、この景色にはいつも複雑な気分になる。
ともあれ、この丘を巻いて高度をかせぐ一部の道がやや荒れていたくらいで、概ね、かなりフラットで締まった路面。両サイドの草がボウボウにのびていて視界が悪いので飛ばしすぎに気をつけなければいけないが、その狭さが逆に変なスピード感を感じさせてくれて、なんか面白い感覚。
やがて終点の広場に辿り着いた。
まだダートは続くが、ゲートがあって、奥で何か作業をしている音がする。
とりあえず広い。ただ、しばらく一服してたらどこからともなく警戒モードの小型のスズメバチが現れて執拗に纏わり付かれたのには困った。
眺めはまあ、そこそこ。だけど今日は空と雲が良い。
地図が立ててあって、こういうことらしい。「乾徳山(南)線」なのだそうだ。入り口には違う名前が書いて合った気がするが、まあいい。
この場所から乾徳山に登れるようだが、結構1日がかりになるなこれは・・・。でも、秋なんかなら良いのだろうか。
行き止まりなので、しばらくしたら来た道を戻る。
ダートは5kmほどだったが、往復するので10kmくらいは走れる。最初の草原もよいし、その後の部分も、わりと気楽に走れるフラット林道で、終点は広場もありと、クリスタルライン方面を走る際にダートちょい足しという感じでほどよいかも知れない。
ところで、山の緑と広がるソーラーパネルの輝き。この景色、どこかの景色に似ていると思ったら・・・コレだ。
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