冬眠明けのリハビリがてら、「利根川ダート」

 去年は11月に浅間山でスクールを体験してすっかりその気になって、どこかの林道で野宿ツーリングでもしたいとシュラフカバーなんて買ってみたりしたものの、仕事上のハプニングなどもあり気づいたら厳寒期に突入して、まあ忙しいし・・・と、GS号もチェーンに錆の生えるがままといった感じだったのだが。

最高気温は17度という春の近さを感じさせる好天の今日、散歩がてらさいたま市からほど近い利根川に足を延ばしてみました。




その昔・・・・俺がまだ免許も取れない中学生の頃。「GARRRR」といオフロード雑誌を小遣いでたまに買って読んでいた。

その中でひとつ、印象深かった記事がある。初夢でお告げがあって・・・みたいな小芝居とともに、ともかく、海に近い方から利根川の河川敷をずっと走っていったら軽井沢に行けるだろうというもので、CRM50でライターがそれにチャレンジして、結局最後までは行けなかったという話だった。

俺は小学生の頃によく、近所の小さい川だったり、当時家から近かった多摩川だったり、ともかく「川をずっと遡って辿ったら、すごく綺麗な山に着く」という思いがあって実際にチャリンコで試して(だいたい夕方に適当な街中で挫折して)いた。たいがい、よく知らない住宅地くらいにしか着かなかったけども。

そんなこともあり、いつかバイクを買ったらその利根川遡上作戦をぜひ自分もやってみたいなと思っていた。

のだが、いざ高校生になりバイクを買うと、当時の川崎の家からは利根川・北関東というのはどうにも遠い(小型車で高速は乗れず、下道で東京縦断はキツイし)。

そんなこんなでずっとチャレンジもしなかったが、最近ふと思い出してみれば、さいたま在住でオフロード走れるバイク乗っている今ってチャンスが来てるのでは?と。

仕事漬けの鬱憤も溜まっているし、自宅から遠く見える武甲山はまだ雪っぽいし、ちょっとこれは・・・とりあえず利根川に行く時がついに来たのでは・・・?と、今日ついに行ってきたわけです。


まずはさいたま市から真東に進むイメージで、芽吹大橋あたりを目指す。つまらない国道を走るだけ・・・ではあったが、後半、利根川が近くなるにつれてやたらにラーメン屋が多く。しかも結構美味そうだった。この時はそこまで腹も減っていなかったので寄らなかったが、今度行ってみてもいいかも。


爆弾池

なぜそんな名前なのかは知らないし、実際に現地に行ってもそういう謂れは感じないが「爆弾池」。利根川の芽吹大橋のちょっと先あたりだが、地図を眺めていて気になったのでまずはここを起点に定めた。

※ あとから調べたら一応、爆弾が落ちた跡なのだという説があるらしいが、真偽はよくわからない

さいたま市から小一時間で着いたが、まあ普通に溜池で、へら鮒の釣り師がいくらかいたくらいで、特筆すべきことはない。

まあ、でも、この時点で一応、道は砂利道。
ここから、南に向かうと左手は土手で土手の向こうはゴルフ場。土手に沿って走る。この土手は、利根川ではなく飯沼川のものだ。

で、ほどなくこの川が利根川に合流するので、適当に走っても否応無く利根川の堤防沿いに出る。

こんな感じで。




よく整備された砂利道だ。
この手前川に一軒だけだが民家もあり、まあ畑はそこらじゅうあり、なので、普通に生活上必要な道ということになっているのだろう。

写真の奥に向かって、つまり北上していくことで、利根川の左岸(東側)を走っていく。
砂利道がとても綺麗なのでハイペースで走ったら走れるだろうが、ここはマナーとして十分に安全に配慮したペースにて進む。


やがて芽吹大橋のあたりで土手の反対に回る。

・・・ここで、ここって、まあごくナチュラルに通れるのだけど、なんか「入るな」的な看板もあり。とは言え、「一切の責任を負いません」みたいな話だから、じゃあ責任を引き受ければ入ってもいいのかな?と悩んだが、利根川の河川敷はとても広く、・・・よく見れば、そこかしこに釣り人やバードウォッチャー他、レジャー目的の車が入り込んでいるので、まあ・・・事故があったら責任持ちませんよという行政のスタンスはありつつも、オウンリスクで了解すればどうしても侵入しちゃいけないというものでもないんだろうという解釈側にひとまずアグリーのスタンスにて。

実際、畑なんかもちょいちょいあって、作業する人なんかは乗り入れないと話にならんのだろうし。まあ、節度を守ってよちよち走る程度であればいいのでは。

さて、しばらく行くと・・・


周囲の視界は荒れた草ばかりで、なんか雰囲気ある

綺麗な砂利道でもなくなって、ちょっと面白い。

だが、去年のスクールは効いていて、このバイクでどのくらいの道まで走れるか多少理解したし、勢いにまかせず低速でノシノシと走るという手法と、フルロックでのUターンを身につけた自信もあるので、四輪の轍さえあればわりと安心して進める。

実際、何度か行き止まりではわりと上手くUターンもできたし(降りてスイッチバックしたところもあるけど)、ま、あくまでも「当社比」的な範囲とは言え、ちょっと安全に林道を走れる技術があがったように思う。


利根川の原風景

なんだか、利根川流域ではたまに見る、使ってんだかよくわからない木造の船もたまにあったり。使ってるんだろうな。使ってなさそうなのはだいたい壊れてるからな。



春の訪れ・・・とはあまり関係がない、去年の夏に生まれて未だ孵化していないだけのカマキリの卵だが、しかし見つけるとなぜか冬の終わりを感じる。

たまにどうにも進めなくなり舗装道に出ることがあったが、それもごく限定的で、


進むにつれて、ちょっとこうマディなところもあったり。

2、3度は、ぬかるんだ轍に嵌ってコントロールを失いかけたり、というか完全に失って進まなくなったり、降りてちょっと押したりした。あと、利根川は大きいので土手の内側の道も2段、3段になっていて、それを移動するために何度か土手を上り下りしたことも。

そんなこんなでわりと楽しく、どこまで行けるんだろ?と進んでいたら結局、新利根川橋まで到達した。

まだ行けるのだろうなと思ったが、ちょうど近くから4号線バイパスに入れるし、時間もぼちぼちだったのでここで切り上げることに。

それでも、結局30kmほどのダートを走行したことになる。まあ、景色としては普通に関東平野の河川敷なので大きな感動は少ないのだが・・・。



「高瀬舟」の発着場とか書いてあったので、後ろに見える船がそうなんだろう。普通の船に見えるけど・・。

ちなみに、途中でバイクには合わなかったが、ジムニーやらデリカやらのオフロード四駆勢は結構何台も見かけて、なんというかある意味、安心した。

けど、今日は晴天が続いた後だったからわりと楽に走れたけど、雨の後だったら大型アドベンチャーとかだとだいぶしんどいというか、スタックしたら難儀しそうなところもちょいちょいあった。土が粘土質というか・・・。なので、走行の際には、事前の天候に気をつけた方がいいかも知れない。まあ、それでも、山奥の一本道と違って逃げ道はいくらでもあるわけだから、行って無理そうなところがあったら避けるか引き返して迂回するかしたらいいのかな。

4号バイパスには「五霞」「庄和」などの道の駅もある。寒い時期に山を避けてちょっと走るには、わりとアリかも知れない。

どうでもいいけど、道の駅で一服した時には、こんな時期でも以外とライダーはいるものだと思った一方、すでにアラフィフも近い俺がむしろ若手に思えるくらい、年齢層高いなーと思った。80年代頃のバイクブーム世代だろう。バイクがヤンチャ小僧のおもちゃじゃなくて歳を重ねても楽しめる趣味に定着しているのは嬉しいというか有難いというかだが、でも、もうちょっと若い人が多い方が文化的に健全な気はする・・・。


・・・ま、今回はそもそもバイクにある程度しっかり乗ったのが久々だったので、ともかく楽しかった!

とは言え、やっぱりもうちょっと山行きたいなあ。






コメント

人気の投稿