初夏の御荷鉾スーパー林道は盛り沢山。鹿も熊も犬も出る。

 地獄に仏の会津遠征から、はや一ヶ月ほど。久々の地方出張で諸国漫遊気分を楽しんだりはしていたのだが、やはりバイクに乗らないと休んだ気がしない。

本当はキャンプに行きたいが、時間もなければ天気も不安定。なのでさくっとお馴染みのコースで御荷鉾にGO。


東秩父、地上のポピー

すっかり初夏。

新調したブーツ(ガエルネ Gミッドランド)を履いて、いざ。


いつものように、高速で川島まで行き、バイパス沿いのセブンでアイスコーヒーを買い、都幾川から白石峠へ。

白石峠の湧き水

白石峠を登る途中の湧き水を汲んで、グリーンラインで定峰へ。

秩父に抜けられればと思ったがそちらは未だ通行止めだったので、東秩父方面から回り込んで皆野を目指す。


東秩父の「天空のポピー」は今年も無残に潰したようで。地元の方が誰より悲しい・・・といっておくのが無難なんだろうが、俺は正直そう同情できない。拓けて風通しのよい山の上に多少の人が集まったからといって、どれだけのリスクがあると言うのだ?怖いのは感染リスクじゃなくてポリコレクレーマーリスクだろう。自粛1年目ほどの圧力は相当だったから、まあ折れる心も理解したが・・・ここまで来てまだ動けないのはもうちょっと、あまりに腰が引けすぎているのではないか。応援の気持ちを込めて、秩父に限らず観光地の皆さんには奮起して欲しいと思う。コロナに怯えて縮こまって互いを監視するような社会は不健全だ。ダメージを受け続けた観光産業こそ、先頭に立つつもりで、人間らしい生活の復権を叫んで欲しい。旅がしたい者はする。引きこもりたい人は勝手に引きこもる。さすがにもう、それでいいだろう。

と、いうことで、写真は東秩父の峠を皆野方面に降った県道沿いの地上のポピー。天空の(峠の上の)ポピーは無残に刈り取られたか最初から植わっていなかったか・・・とにかく、天空は滅んでいた。

さて、いつも通りと言いつつも、いつもと少しルートを変える。たいていは皆野から西に向かい、石神沢林道経由で土坂峠を抜けて・・・と行っていたが、今日は皆野から北に向かって道の駅上州おにしを目指す。

道の駅 上州おにし

ボロ過ぎる。

つうかこれは、道の駅の横にあった廃校。自分が小学校2年まで通った小学校を思い出すな・・・。自分は川崎で当時でもさすがにかなり珍しかった木造の校舎で小2までは過ごしたので。


こちらが道の駅


実はここは初めて来た。
最近多い、遊園地じみた巨大な道の駅ではなく、こじんまりしていて落ち着いている。


そば。600円。

せっかくなので、早めの昼飯を食った。ざるそば600円。細めで弾力があり、美味い。つるっと啜って、いざ出発。


道の駅おにし(鬼石)から1分ほど

林道根際線。

ダートでスーパー林道にアクセスできるらしいということで・・・・。

だが、起点から1キロ以上はコンクリ舗装。




やっとダートに。砂利は細かく走りやすい。

リヤタイヤは新品


今回、アナキーワイルドのリヤだけ新調しているのであった。もう少しは使えそうな気もしたけど、あまり粘ってもフロントが今度は無くなってしまうだろうから。このタイヤ気に入っているが、次回はアナキーアドベンチャーを試してみたいので、ほどよく揃って無くなってもらいたいのだ。

久々にちょっとエアも抜いた。とはいえ、規定値から15%ほどだけ下げただけだが。

根際林道は、ダートになってちょっと走ったらまた舗装になってしまい、ほどなく御荷鉾スーパー林道の歩道区間に繋がった。思ったより短くて拍子抜けしたが・・・。

そのまま進み、次なるダート。



林道 東御荷鉾線

初めて走った時は結構ビビったのだが、ここも3回目かな?ちょっと慣れて来た。フラットではないが、まあ、アドベンチャーでも普通に走れる範囲だと思う。

多少荒れたところもあるが、トコトコと進む分にはさしたる不安もない。・・・と言っても、軽量のオフ車に比べればだいぶ緊張感をもって走っているのは事実だろう。が、そのちょっとした緊張感が”アドベンチャー感”をいや増しているのもまたおそらく事実だ。



そこはかとなく山深い東御荷鉾

東御荷鉾線は、スーパー林道本線と違い尾根ではないから、ちょっと暗くて深い感じがある。けど、それがまあ、良い。

途中、お尻の白い鹿がピョンピョンと逃げていった。


で、抜けてから県道で御荷鉾森林公園方面を目指しつつも・・・・

林道 名無村線

わりと気に入ってる名無村林道。ほどよい長さとほどよい荒れ具合。


ここだけ崩れてるが、バイクは十分通れる

前半の登り勾配はちょっとガレ気味だけど、とはいえやたらハンドルを持って行かれるほどのガレでもないので、適度な走りごたえといった感じ。ANAKEE3で来た時にはトラクションが薄くてちょっと不安が大きかった覚えがあるが、ANAKEE WILDなら不安というほどではない。


なんて余裕をこいてたら・・・・

出口で転けた


名無村林道は入り口には特に何もなかったが、出口(御荷鉾森林公園側)には軽くテープが張ってあって、それで「ん?」と思って停まったら、足元が轍で低くなっており・・・立ちゴケした。

しかも、起こそうとしたら、その轍の泥濘でブーツが滑ってGSが起こせない!
・・・Gミッドランドの半分フラットソール、これダメだろ!?とかなり頭に来つつ、何度やっても、60度くらいまで起こせるのだが、そこからちょうど足が泥濘の位置になってしまい起し切れない・・・。

息も絶え絶えになっていたらエンジン音が。すぐ上の舗装路を通りゆくバイクに手を振って、「ちょっとだけ押してもらえませんか」と助けて貰った・・・。400Xの方、本当にありがとうございました・・・。

せめてもと、未開封の午後のレモンティーを差しあげようと思ったが「お互い様だから」と爽やかに立ち去られました。

何とか脱出できてから、こうも起こせないのも困ったものだと考え込んでいたが・・・。

今回、左に倒れたので前輪が回らないようにフロントブレーキをバンダナで縛ってしまったのだが。最初にそれをせずに起こせば、たぶんフロントタイヤがずるずる回って後輪あたりを軸に車体が横回転して場所が移動できたのではないか?そうすれば、足の踏ん張り位置も変わるし、谷側傾斜にやや逆さま気味に倒れ込んでいた状況も改善したのでは・・・。それから改めてフロントブレーキを縛って再トライすれば、一人でも起こせたような気がしてきた。

・・・今度から、体力使い果たしてしまう前によく考えてから起こすようにしよう・・・。


しかし懲りずにダートに進む

まあ、もう転けるのも毎度の事だし、GSは意外に頑丈なので、立ちゴケ程度で進行が妨げられることはない。ちょっと足腰に力が入らなくなっているから慎重に行くが・・・。


御荷鉾スーパー林道はやはりフラット

もはやシッティングで進む。
完全に座ったらさすがに不安定なのだが、軽くケツを浮かすような具合でいくと、手足のレバーの操作性はよくなるし、結構アリだなと思った。

八倉峠から


ここの眺めは何度見ても立派。山に来たって感じがすごい。

西に進み、トンネルを抜けて、




そして、(西)御荷鉾林道。


前半はトンネルもあるし鬱蒼としている感じがあるが、後半に何箇所かパッと開けて明るくなるところがあり、そこがちょっとドラマチックで良い。なら写真くらい撮っとけという感じはするが・・・つい通り抜けちゃうんだよな・・・。

道はやはりスーパー林道よりは荒れている。名無村と同じくらいだが、あちらは斜面だけどこっちはわりと高低差はない。その分、ところどころは逆に泥が多めのところがあり、そうしたところでは気を遣う。ちゃんと足がつかないのに下手に止まると立ちゴケするので、ついついノンストップになってしまう。まあ、慣れてくしかない。今日はブーツも新しいからなおさら気になるところはある・・・。

林道を抜けると大仁田ダム。

前回は気づかなかったのだが、よく見ればダムサイトに降りる階段があった。


山で食う蒙古タンメンはウマい

ダムのインレットの水の流れを眺めつつ、夕方の涼しくなった日陰で、チェアで寛ぎつつの熱く辛い蒙古タンメン。実にウマい。



この後、南牧から下仁田に抜けて高速で帰ったのだが、ダムを出てすぐの山道でちょっと分岐を間違ってさらに山奥に進んでしまった。とは言え舗装路だったのだが・・・なんと、初めて見る野生動物・・・・というか、クマに遭遇した。

前方の道の脇からなんか動物が出て・・・あれ?鹿じゃないし、猿でもない、真っ黒なコイツはなんだ?と思ったら、わっさわっさと体を揺らして走り道を横切るその姿はまさに、テレビとかで見たクマの走りであった。

思ったほど大きくはなかったので子グマか?だとしたら近くに母グマとかいる?と一瞬ビビったが、よく考えたら月輪だからあれで成獣だったのだろう。とはいえ、GSで走行中でなければ相当にビビったであろう野生との遭遇であった。





今日も思い切り転ばしたが、意外に傷はつかないF850GS。こんな具合になってたりするが、洗ったらだいたい元どおりになった。BMWマークとかハンドガードとかは前からもう傷が入ってるが・・・GSはデザイン的にそのくらいはさして気にならないのは良いところ。

重くて起こすのに苦労するのは困ったものだが、そこは体でも鍛えるとしよう。

帰宅後、なぜかストックしていた田沢湖ビール「ブナの森の妖精」

蓋がない

そして、翌日にヘルメットを掃除してようやく気づいたのだが、ホーネットADVの頭頂部エアインテークのカバーが無くなっていた・・・。そういや枝に引っかかったわ。結構バキって音がして、バイザーでも割れたかと思ったらそうでもないので安心していたら・・・・。

バイザーごとオンラインで買うと1万円くらいするのだが・・・このカバーだけ買えないものだろうか?


なお、予想外の出費と言えば、ついでにこの日は、帰りの高速で犬も出た。国家の犬が。関越道で108キロ出てたからと。まあ、違反は確かにそうだ。認めよう。悪かったよ。けどなあ・・・いつもうるせえ旧車会とか野放しにしてるのにねえ・・・。俺を見逃せとは言わないよ。違反はしたし。けどねえ・・・なんか釈然としないわ。

ま、先週は出張もあっての久々のツーリングで疲れがあったのか、この日はちょっと注意力が散漫になっていたところも否めない。そういう状態では事故も起きやすい。警察に感謝はできんけど、この出来事は天啓と思って安全運転に努めるとしよう。


何はともあれ、ひとまず御荷鉾も行ったので、次回は雪が解けたはずの会津リベンジでもしたいかな。



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