そうだ、日本海に行こう。
天候不順の週末が続いたけれども、久々に好天の10月初めの週末。
とりあえず遠くに行くというテーマで行先を検討し、新潟までキャンプツーリングに出かけました。
同行はいつもの同僚、後輩であるXSRのP君。彼は当初、北東北を所望していたが、1泊だとどうしても本当に高速ぶっちぎりで行って帰る感じになってしまうので、趣向を変えて日本海に。そもそも関西人の彼が、関東より北のエリアは未踏の地だということでの場所選定だった。
新潟と言えば白身の魚介が美味いので、とりあえず魚でも食いに行こう!と、そういうテーマのキャンプツーリング。
さいたまのマックで朝メニューを購入して、高速へ。
当初は蓮田か圏央道菖蒲あたりで休憩がてら食べようと思っていたが、6時台に出たのに(我々リモートIT戦士にとっては結構な早朝)、どうも高速が混んでいる。渋滞の気配が不穏なので、一気に嵐山PAまで進む。
嵐山PAも混雑。バイクも多かった。 |
バイクを止めて、多くのツーリングライダーを横目に、なんとなくPくんに「F850GSってあんまし日本で売れてないらしいから、珍しいんだぞ」と話しながらトイレに向かって歩いてると、行ってるそばから同色のF850GSが駐輪していて驚いた。珍しい。しかも乗っていたのは線の細い女性ライダー。あんな華奢で支えられるのか?と思ったが、歩いてる様を見たら脚は俺よりかなり長そうだったのできっと楽勝なのだろうと嫉妬したのは内緒だ。
エッグマックマフィンを食って、水筒に移しておいたアイスコーヒーを啜り、一服したらまた一気に高速を進む。横川SAで一度休憩したが、早々に上信越道の中郷ICまで走って高速を降りた。
横川SAと言えばいつも鳥めし弁当を買うのだが、今日は後の予定があるので我慢。
中郷で降りてからR18を進み、道の駅あらいへ。
夏休みに家族旅行で行ったホテルの目玉であったズワイガニは、もともと痩せてるのを解凍したためか、細い脚の中に身も汁もほぼ見当たらないし味噌もないという残念さだった。それがあったからこそ、敢えてリベンジ的にここで再チャレンジしてしまったわけだが・・・
450円の汁としては相当に満足できるものであった。ごちそうさま。
そこから20分ほどで、前日に予約した南葉高原キャンプ場へ。爺さんが軽トラの荷台に乗せてくれて、サイト内のあちこち見せてくれてテントの位置を決める。なんだかアトラクションみたいでちょっと面白かった。静かな方がいいか、夜景がよく見える方がいいか?とあれこれ気を利かせてくれて、なんともありがたい。
バイクで日本海に来たのはTDR250R時代(25年前)以来だ。学生の頃に、キャンプツーリングで北海道を目指したあの時。ガソリンと2ストオイルの確保が優先で旅先でグルメ堪能とはいかなかったが、それでも奮発して食った日本海の刺身が美味かったことは覚えている。
P君はカウルもないし、無駄にブロックタイヤなので、俺よりも長距離高速走行が堪えたことだろう。実際、月曜日にはつらそうであった。まあ、俺よりは若いのだから頑張れとしか言えない。
食事の後、スーパーで晩飯の食材を調達。山道を通ってキャンプ場に戻ろうとしたが・・・とちゅでPくんがガスがないとか言い出し、いったん別れることに。彼は街にでガスを入れてから国道でキャンプ場に戻る、俺はこの山道でキャンプ場に戻る、と。
が、思った以上に道が細く、ガードレールはなく、苔が多いわ水は湧くわ、おまけに日暮れは迫ってくるわで結構、心細かった・・・。
フライパンに残っていたポークソテーの残滓に、オイルサーディンの油を加えて、1合持ってきた米の半分ほどを投入。炒めて、カプレーゼのトマトと残りのオイルサーディンを加え、水を加えて煮て、パエリアっぽいものを作った。
周囲のキャンパーは当たり前のように焚き火をしているが、俺もPくんも焚き火台は持っていないから焚き火は出来ない。荷物になるのも嫌なのだが、そもそも、焚き火をすると自分が燻されて焚き火臭くなるのが嫌いだ。それに、個人的には、地面が熱されて自然によくないみたいな話でわざわざ 金属の台まで持ってきて、眺めるためだけに焚き火をするというのが、まあ好き好きだと思うけどちょっと意味不明で馴染めない。
なんとなく日本海側は夕日のイメージがあったが、山から昇る朝日はもちろん見えるわけであった。ちょうど目が覚めたので、しばらく写真など撮影したり。まだ寒い時期でないので涼しくて気持ちいい程度。
新潟県民からしたらきっと、埼玉県民の荒川・利根川や神奈川県民の多摩川や鶴見川みたいなもので、これと言ってありがたみもないのではと思うのだが。関東人としては、千曲川と言われると「ああ、越後に来てしまった」という感慨がある。
その後、道の駅北信州に寄って、せっかくなのでマロンソフトを。りんご味があったかどうか忘れたが、秋だし、栗好きなので。
そして志賀草津道路へ。
志賀草津道路を通る、というのは朝飯を食いながら思いついたアイデア。有名な道とは知っていたが、それ以上にはこれと言って考えていなかった。
志賀草津道路は、こんなに良い道ならもっと頻繁に来ていれば良かったと思った。まあ、日帰りだと結構強行軍になるかな・・・。やはりどこかに一泊してゆったりと走りたいところではあるが。今回のように新潟に泊まるのも良いが、逆に草津周辺でキャンプして北側に抜けてから高速で一気に帰ってくるのもありかも知れない。まあ、そのまま北上してもう一泊くらいできたらより良いが・・・どうにも最近連休が取りずらいからなあ。
レストランが充実していたが、ここではまだ飯は食わない。と思ったけど、せっかくなので、蟹の揚げ団子?のようなものを買って食った。が、買おうとしたらどうしても気になって、同じ店で蟹汁も買って食ってしまった。
蟹汁、450円 |
夏休みに家族旅行で行ったホテルの目玉であったズワイガニは、もともと痩せてるのを解凍したためか、細い脚の中に身も汁もほぼ見当たらないし味噌もないという残念さだった。それがあったからこそ、敢えてリベンジ的にここで再チャレンジしてしまったわけだが・・・
ちゃんと身もあるし味噌も美味い |
450円の汁としては相当に満足できるものであった。ごちそうさま。
蟹なんて食うと、とりあえずなんか北の方に来た気分は盛り上がる。
そこから20分ほどで、前日に予約した南葉高原キャンプ場へ。爺さんが軽トラの荷台に乗せてくれて、サイト内のあちこち見せてくれてテントの位置を決める。なんだかアトラクションみたいでちょっと面白かった。静かな方がいいか、夜景がよく見える方がいいか?とあれこれ気を利かせてくれて、なんともありがたい。
テントだけ立てたらバイクに乗り、日本海を目指す。
エビとブリに集中した刺身定食と迷ったのだけども、限定という言葉に弱く・・・。
食事をした後、店の前の道(R8)の向かい側の海へ。
日本海にて |
日本海。せっかくなので手は突っ込んだ。 |
バイクで日本海に来たのはTDR250R時代(25年前)以来だ。学生の頃に、キャンプツーリングで北海道を目指したあの時。ガソリンと2ストオイルの確保が優先で旅先でグルメ堪能とはいかなかったが、それでも奮発して食った日本海の刺身が美味かったことは覚えている。
GSは重いけど、その機動力のおかげでこうして再び日本海まで走ってこれた、そういう気を起こしてくれたというのはやっぱりいいなと思う。何せ、もはや若くもねえっつうのに前日も結局22時前まで仕事してた状態なので・・・体力の絶対量もチャージ量も少ない中、マシンが安心感を補ってくれるのは助かる。実際、上越までの高速走行はなんの苦もないといった感じだったし。ブロックタイヤ履いていてさえ。
なんか絵になる感じでキメてるPくん |
P君はカウルもないし、無駄にブロックタイヤなので、俺よりも長距離高速走行が堪えたことだろう。実際、月曜日にはつらそうであった。まあ、俺よりは若いのだから頑張れとしか言えない。
食事の後、スーパーで晩飯の食材を調達。山道を通ってキャンプ場に戻ろうとしたが・・・とちゅでPくんがガスがないとか言い出し、いったん別れることに。彼は街にでガスを入れてから国道でキャンプ場に戻る、俺はこの山道でキャンプ場に戻る、と。
苔が多い・・・ |
が、思った以上に道が細く、ガードレールはなく、苔が多いわ水は湧くわ、おまけに日暮れは迫ってくるわで結構、心細かった・・・。
だいたい道も本当に通じてるのかいまいちハッキリしないし・・・。
けど、荒れ果てているようで、車の轍部分の苔はないから、生きている道ではあるようだ。そうして走っていたらやがて道の脇に藁を干してあのが見えて、あ、やっぱり誰か使ってる道ではあるのだなと。
なんて考えて走っていたら、やたら寂れた・・・寂れたどころではなく寂れた集落に出た。屋根の尖った独特の形の古い民家が谷間に寄り添うように建っている。・・・おそらく、もとは茅葺屋根の家の屋根だけトタンに変えたといったような家屋に見えた。集落の入り口には、ちょっとした、大きくはないが村の規模からすれば結構立派な神社があった。
なんとも、お話に出て来そうな雰囲気のある集落で(・・・だいたいミステリーとかだと不吉な惨劇が起きてしまったりはするのだが、まあ)、心惹かれるものがあった。
ゆっくり写真撮影などしてみたい気もしたが、何せどんどん日が暮れてきていたので、先を急ぐことにした。
そこから先は、わりと道はまともだった。集落は、のちに確認したら中ノ俣であった。俺の経路と違う道ならおそらくもうちょっと道もマシで、わりと観光誘致などもしているようだ。あまり人が来ている様子はなかったけど。
日暮れで焦っていたのと、道があっていて通じてるかわからない不安とでゆっくり堪能できなかったが、実はなかなか静かで快適な道だったと思う。中ノ俣の集落にも棚田だとかの見所があるようなので、今度行くことがあればもう少しゆっくり走ってみたいものだ。
とりあえず困ったらこれという感じの、「切れてるモッツァレラ」でのカプレーゼとワイン。
地元メーカーのワインと |
とりあえず困ったらこれという感じの、「切れてるモッツァレラ」でのカプレーゼとワイン。
別にこのチーズが好きなわけではなくて、生モッツァレラとか食いたいのだけど、田舎のスーパーではモッツァレラはこれしかないことが多い。こんな時、自分の住んでるさいたまは都会なんだなと・・・・少なくとも生モッツァレラもたいがい数種類売ってるしというところで実感する。
毎度キャンプに持ってきて持って帰っていた、デッドストック化してしまっていたオイルサーディンも今日は絶対食うという強い意思でテーブルに並べた。
カプレーゼに乗っけてしまって食ったらなかなか美味かった。
その後、買ってあった豚ロースをどうしようと悩んだあげく、各種香辛料でソテーし、玉ねぎ、ニンニクあたりと赤ワイン、砂糖あたりを適当に混ぜたソースで。無計画に作ったわりにはなかなか美味くってあっという間に食ってしまった。
食ってしまってから主食をどうしようと悩んだので・・・
オイルサーディンのパエリア風 |
フライパンに残っていたポークソテーの残滓に、オイルサーディンの油を加えて、1合持ってきた米の半分ほどを投入。炒めて、カプレーゼのトマトと残りのオイルサーディンを加え、水を加えて煮て、パエリアっぽいものを作った。
これがまた、なんだか雑にやったわりにはとても上手くいった。俺のソロキャンプの主食はいつも白米かラーメンばかりだったが・・・今回はなんだか、いつもと違って手の込んだ感じ(実際は残り汁にぶっ混んでるだけだし、米とぎもしてないからむしろ手間は減ってるのだが。メスティンも使わないで済んだし)で、満足のディナーであった。
我々の炎 |
周囲のキャンパーは当たり前のように焚き火をしているが、俺もPくんも焚き火台は持っていないから焚き火は出来ない。荷物になるのも嫌なのだが、そもそも、焚き火をすると自分が燻されて焚き火臭くなるのが嫌いだ。それに、個人的には、地面が熱されて自然によくないみたいな話でわざわざ 金属の台まで持ってきて、眺めるためだけに焚き火をするというのが、まあ好き好きだと思うけどちょっと意味不明で馴染めない。
そもそもキャンプ場なんて造成してんだから、皆んなが焚き火する場所だというならそういうことにすりゃいいのでは?という気もするし、造成した公園での土壌生物や草の根まで気にかける博愛主義を貫くなら、なぜ無駄に火を燃やして二酸化炭素を撒いたり夜の森を煌々と照らしたりするのだ?というところにも矛盾を感じてしまう。俺は本当はそんなにナチュラリストではないので、焚き火をするなら地面に直接火をつけたい。
・・・とは言え、管理された施設にいるのだからルールに従う必要があり、だから焚き火はしないわけだ・・・・が、Pくんと「俺らのサイトだけ暗いよな」という話になり、彼が「・・・そう言えば何かでサバイバル術みたいなもので、ツナ缶があればランプができるって話だったような」とか言い出すものだから、オイルサーディンにティッシュ(P君が鼻をかんだ際に使わなかった端っこ部分)をこよりにしたものを入れて火をつけたら、なんと1時間ほども燃え続けた。意外なほどに明るくて、食事の後に酒を飲みながら話すための灯りに十分だった。
小さくても揺れる炎には風情があるし、ゴミとして始末の悪い油もなくなる・・・。なんというエシカル()なキャンプスタイル。ちょっと気に入ってしまった。
海からの湿気でか、霞む上越の夜景はそれはそれで綺麗だ。そして、それこそランプのように光るテント群と、そこかしこに燃える焚き火の灯り。俺もにわかリターン組なので、近年のキャンプブームに苦言を呈するつもりはないが、こう猫も杓子もじっと焚き火を眺めているというのも・・・・拝火教か?と問いたくなるのは事実だ・・・。
炎も良いが、俺は、せっかく山に来たのならば星を眺めるのが好きだ。天の川もあれば、流星もいくつも流れた。まあ、Pくんに言わせれば、天の川が珍しいと感じるのは都会人特有のセンスだそうだが。
テントに入ってしばらくの間も、入り口を開けてそこからしつこく星空を眺めていた。こう星が多いとむしろ星座が全然見つからないのだが、不思議と飽きない。
とはいえ、いつまでもそうしているわけにも行かないので眠ることにした。俺のシュラフはダウンではあるがノーブランドの安物(250g)なのだが、昨年買ったシュラフカバーがあればなかなか暖かい。この日はズボンと上着を脱いで眠れたのでとても快適だった。
上越平野の夜明け |
なんとなく日本海側は夕日のイメージがあったが、山から昇る朝日はもちろん見えるわけであった。ちょうど目が覚めたので、しばらく写真など撮影したり。まだ寒い時期でないので涼しくて気持ちいい程度。
少しだけ色づいている木もあるが、全体としては紅葉というには早い感じ。
食べ残しサラダ |
昨晩に食べ残したレタスと玉ねぎ、チーズ、使い残したオリーブオイルなどでサラダにしてみたが意外に美味かった。日頃から野菜を食べるモチベーションが少ないのでキャンプでも敢えて朝からサラダなんて食ったことなかったが、悪くない・・・。
昨日のパエリアで使い残した半合の米をメスティンで炊いて、これも使い残していたベーコンと目玉焼きをおかずに朝食にした。・・・米1合を半分ずつ夜朝と食うのも、また悪くない・・・。そもそも小食で夜は酒もツマミも多くなるので、1合の飯は持て余すことも多いので。
なんとなく千曲川 |
新潟県民からしたらきっと、埼玉県民の荒川・利根川や神奈川県民の多摩川や鶴見川みたいなもので、これと言ってありがたみもないのではと思うのだが。関東人としては、千曲川と言われると「ああ、越後に来てしまった」という感慨がある。
その後、道の駅北信州に寄って、せっかくなのでマロンソフトを。りんご味があったかどうか忘れたが、秋だし、栗好きなので。
うまい |
そして志賀草津道路へ。
なんかdéjà vuもある |
志賀草津道路を通る、というのは朝飯を食いながら思いついたアイデア。有名な道とは知っていたが、それ以上にはこれと言って考えていなかった。
が、走ってるうちに、「ツーリングマップルでよく写真載ってたような道だ」と思い至る。
日本的イメージの山とは異なるRPG感の強い景色が広がる。脳内にFF5のオープニングのテーマが自動再生されてしまうような景色。
だが、上の写真の、スノーシェッドが岩に張り付いてるような景色はなんかずっと前にも見た覚えがあるようなないような気がする・・・。大昔の学生時代にキャンプで北海道を目指した頃に通ったとかだろうか・・・?
ただ、昔も今も、俺はツーリングのルート決めが適当な上にすぐ道を間違えるので、いまいちどの道を通ったとかの記憶がはっきりしない。まあ、いいか。
志賀草津道路 |
志賀草津道路 |
チョコボが走ってそう。FF5の。 |
草津白根山。ラスボスの根城が近そうな風景。 |
志賀草津道路は、こんなに良い道ならもっと頻繁に来ていれば良かったと思った。まあ、日帰りだと結構強行軍になるかな・・・。やはりどこかに一泊してゆったりと走りたいところではあるが。今回のように新潟に泊まるのも良いが、逆に草津周辺でキャンプして北側に抜けてから高速で一気に帰ってくるのもありかも知れない。まあ、そのまま北上してもう一泊くらいできたらより良いが・・・どうにも最近連休が取りずらいからなあ。
ナウマンは日本の地質学に多大な貢献をしたが、嫁にちょっかい出されてキレて乱闘事件を起こしたり、帰国後に日本人の無能を嘲笑したとして森鴎外の怒りを買ったりしたらしい。しかし、その後には東大に蔵書を寄贈したりもしている。彼が見た日本人の中に無知も無能も間違いなくいたのだろうが、日本人すべてを嘲笑したわけではないのだろう。あの時代、遠くドイツから日本に来て、協力者への敬意も払えずにあのような偉業が達成できたとは思えない。
彼自身、生きにくいタイプの学者だったのではないか。森鴎外も然りだが。
まあ、実際のところはナウマンの本心など知る由もないし、知りたいわけでもない。
ただ、偉業を残す人物でさえ生きていく苦労は絶えない、というよりは、苦労の絶えない気性だからこその偉業なのだろうと。そんな彼もこの志賀高原の景色なんかは見ていたのだろうな。頭の中はフォッサマグナだったかも知れないが。
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