午後からぶらり秩父林道探索(林道二子山線)。熊さんに出会った。

秋の三連休、本当は東北か北陸くらい行きたかったのだけどスケジュールが組めず、せめてと午後から秩父をぶらつきに行きました。


黄昏の林道二子山線。


疲れ気味だし時間もないし、ちょっと散歩程度にと思って家を出たのだけどもついつい深入りしてしまい、結果、なかなか無駄にアドベンチャーになってしまった・・・。


13時頃にさいたまの家を出たので、都幾川あたりに着いたのが14時ころ。遅いのだが、これはいつも朝に都幾川を通り過ぎてしまうと食べられない、この辺りの食堂を試すチャンス!

ということで、いつも気になっていた東秩父か埼玉西部あたりのローカルフード?肉汁うどんを。


尾張屋という蕎麦屋さんは、時間的に空いてる店が少なく消去法的に選んだだけだったのだけど、食べて見れば美味しかった。ゴボウも入った肉汁は少し柚なんかも入っていて香りがよく、さっぱりとした冷たいうどんとマッチしていると。店としては蕎麦の方に力を入れていそうだったから、今度寄ることがあればぜひ、舞茸天の蕎麦を食ってみよう。

さて、時間もないので食後の休憩もそこそこに都幾川の奥地へと出発。



とりあえずお馴染みの剣ヶ峰七重線。短いが走りやすくて良い。GSで初めてチャレンジしたときにいきなり転けて半泣きになったのも、もはや良い思い出だ。




まだまだ暑くてすでにTシャツの胸元は汗でビショビショだったが、木々の間から漏れる斜光が少し秋の気配。

白石峠から定峰には行かず、芦ヶ久保方面に抜けて、寺坂棚田に寄る。


寺坂棚田と武甲山


思った通り、稲が金色に色付いて武甲山と良いコントラストを描いていた。肉汁うどんとさっきのダート、それにこの景色くらいで満足して帰った方がよかったのかもしれない・・・。


同じ道を変えるのもつまらないし、まだしばらく明るいしと、つい志賀坂峠を目指してしまう。時間と元気がありそうなら二子山線・・・なければ御荷鉾?という曖昧な気持ちでR299のワインディングを駆け上がり、結局は日没までギリギリなのについつい二子山林道に入り込んでしまった。

日没間際の稜線が良い・・・


ダートを走るのに日暮れどきというのはよろしくないだろうと思いつつも、真昼間とは違うドラマチックな景色が見えるのではと思うとついつい。最近何度か走っている林道なのでという気持ちもあった。





ところが、少し前の大雨のせいか、道中数箇所、山側から大量の土砂が流れ出て路面を覆っているところがあり、思いの外、緊張しながら走る羽目になった。

そうした一部以外はやはりフラットで走りやすいのだが、大型アドベンは何かあるとすぐ動けなくなるので、泥がこんもりしている部分などは結構逡巡してしまった。

とはいえ、土砂流出している部分はそもそも崩れやすいからかコンクリ舗装の部分が多く、すでに轍も出来ていたのでまあ、慎重に進んで結局、トラブルなく日没間際にはダートを抜けることができた。

人が減った時間だからか夜が近いからか動物が多く、ヤマドリ

Wikipediaより

を初めに、その後はニホンシカが5度も現れて、何だか楽しい気分ではあった。

もう少しでダートが終わるなというところで、行手の右の路肩に毛むくじゃらのものがうずくまっていて、鹿ではないからカモシカ?と思ったのだが・・・いやカモシカはあんな黒い色じゃない、猿でもない・・・と思うころにはアチラがこちらに気付き、谷側へと逃げて行ったが・・・あのわっさわっさと体を揺らすような重量感のある走り方、丸い耳、大きな頭、太い手足・・・思い切りクマ🐻だった。うん、まさにこんな→🐻な顔してた。

まあ、逃げてくれたから良かったが、その後に道はその谷側に向かって巻いて降りていき、ダートが終了。

一服する予定だったが、熊が近くにいるから早く離れた方がいいなと、そのまま舗装路降り始めて数10m。

山から湧き続ける水で濡れた路面に苔が生えていて、豪快なドリフトを数mかました後に見事に転けた・・・。

以前に西御荷鉾の出口でやったのと完全に同じパターン。
幸い低速だったこともあり体に支障はない。だが、足元がヌルヌルでバイクがどうしても起こせない。近くに熊いるのに・・・どうする?と言っても道の真ん中にバイクを転がして立ち去るというわけにも行かないだろう・・・とかなり混乱しながら大汗を掻いていたら、遠くから車の排気音が。

・・・この時間にこんな場所を通る車などないかと思っていたが、MTBで山をを走りにきたグループがちょうど帰るところだったらしい。頭を下げてお願いしたところ、快くバイクを起こすのを手伝って頂けたばかりか、その後のヌルヌルゾーンを抜けるまで後ろから見守ってまで下さるという親切ぶり。

地獄に仏とはまさにこのことで、国道まで無事に降りた時には言い表せないほどの安堵を感じ、帰っていくMTBライダーの車に赤べこの置物のようにお辞儀を繰り返したのであった。本当にありがとうございました。

何だかいつもあちこちで人に迷惑をかけている気がしていたたまれない気持ちはあるのだが、一方、暗いニュースの多い世の中でも、ああ、やっぱり人って本来、親切なんだなと実感できて嬉しくなってしまうのも確か。俺も山で困ってる人を見つけたら助けてあげられるようにしよう、うん。


転倒で少しは頭も打ってるし、極度の緊張でストレスも受けているから、とりあえず近くの道の駅まで移動し、甘い飲み物を買って飲みながら、いつもは同行することの多い貴重なバイク仲間のPくんに電話してことの顛末を話す。彼に聞く必要はないだろうし、やってもらいたいことももはや無いのだが、人に話すということで俺のメンタルを落ち着かせるのが狙いなので悪いが付き合ってもらった。

ジュースを飲んで、ようやく煙草を1本つけて。落ち着いたところで高速を使い帰宅。軽く散歩のつもりがわりとガッツリとツーリングしてしまい、しかも転けたのでエラく疲れてしまったが、まあ・・・バイクのダメージは大したことないし、林道自体は楽しかったので、ヨカッタヨカッタということで。

でも、今回も思ったがやはりANAKEE WILDは減ってくると、舗装路、特にウェットでのグリップは著しく悪いなと感じた。・・・あの苔ではどのみちダメだったかも知れないが、これまで、転倒を免れても、ダート前後の濡れた路面では何度も肝を冷やしている。

ダート性能は申し分ないのだが、もうちょっと舗装路も快適に走りたいということもあるので、次は違うタイヤを履いて見ることにしよう。



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