晩秋の秋鹿大影林道と万沢林道

 11月中旬、万沢林道が冬季閉鎖目前とのことで慌てて出かけてきた。


鈍く輝く野反湖


当日は朝のうちは快晴だったが徐々に下り坂の天候。秋から冬へという季節の変化を1日で実感できるようなツーリングだった。


朝は寒いのでそんなに早くは出発しない。おかげで渋滞に巻き込まれそうになったが、とはいえ人々が秋の気配でそわそわと出かける10月の連休時ほどは混雑しない。

11月いっぱいまで使える「速旅」を申し込んでおいたので、ケチって月夜野ではなく対象区間目いっぱいの沼田でインターを降りた。月夜野までは数kmなので、わりとすぐ着く。





いつもの入り口。いつも通りに倒れている標柱。ここに来ると、ここから先は悪路で山を越えていくのだという気分が盛り上がるので結構好きだ。ファンタジーならこの道しるべの傍らに老人が座っており、この先の道が剣呑であることを諭してくれるところであろう。

天気は実に良く、空気は冷たいが寒さをあまり感じない。今回、しばらくぶりの本格的なダートで、しかもソロだ。ケガ以前に、起こせなくなる問題があるので転倒にはくれぐれも気を付けて行こう。


秋鹿大影林道の四阿


秋鹿大影林道の状況を事前にSNSで少しチェックしていた際に、「ドロドロでやばかった」ということを言っている大型アドベンチャー乗りの方がいたので、ちょっと警戒していたが・・・確かに、この休憩所の少し手前に危ないところがあった。停車したら逆に動けなくなりそうな気がして写真はとっていないが、粘土質の赤土が掘れてしまっていている箇所が1か所あった。滑り落ちてバランスを崩す方が怖いので轍に嵌りながら進むしかなかったが、トラクションが弱くヌルヌルと前後輪が滑る感覚がありつつ、なんとかバランスをとってクリア。かなり心臓がバクバクしてしまった。健康に悪いなこれ。


こんなのが何度も出てきたら進めないぞと思ったが、戻るといったってさっきの道をもう一度走るのも嫌なので進む。

結果から言えば、その後はさして困難なことはなく、まあいつもの秋鹿だった。


やや枯れているがまだ見応えはある

時折、綺麗な紅葉があらわれる

こういう斑な感じは嫌いじゃない


今年は秋が暖かく紅葉が遅かったが、それでもここ数日はぐっと気温も下がり、落葉が進んでいる。一方で、ところどころには綺麗に色づいた紅葉もあり、かと思えば一部まだ青い葉を残した樹もある。一面真っ赤な紅葉も見応えはあるが、こういうモザイク状の紅葉も変化やコントラストが楽しめるので悪くない。

(ここまで書いたところで忙しくなって忘れていたので、今時点でもう翌年の夏!なので以下はさらっと)



閉鎖直前だったと思うが、万沢もいけた。



だいぶ紅葉は寂しい感じだった気がするが、それはそれでちょっと荒涼としたファンタジー味があり楽しかった。ただ、訪れる人が減っているので転けたりしたら助けてもらうことなどできないぞという不安はあり、慎重に走ったような。





枯れた山と蒼い水のコントラストが綺麗だなと思った。ちょっと山の向こうに凶悪なドラゴンでも棲んでいそうな。




しかし万沢ストレートに来て見れば、峠小僧よろしくピストンしている方々で意外にも賑わっていた。あんまり良い趣味とは思わないが・・・事故でも起こしそうと思われたら通行止めとかされるんだから・・・。

その後、今日はもう帰るつもりだったから、ちょっと野反湖だけ寄って行こうと。いつもは手前の山小屋のある駐車場、湖尻側しか行っていなかったが、今回は久々に奥のキャンプ場の方まで行ってみた。久々というのは、大学生の頃に日本一周をしようとキャンプツーリングをしていた頃以来なので、ウン10年ぶりということになる。

湖岸のワインディングは記憶の通り、ややタイトだけど綺麗な舗装で走りやすかったが、眺望も特にひらけずさして見どころもないイメージ。

ただ、インレット側から見た野反湖はこの日、いつからか湧いていた鉛色の厚い雲と、遠く南側にまだ覗く秋の空を映して、なんとも言えない銀色に光っており、何だかそれはそれで綺麗に思えたので満足した。

野反湖


さて、満足したし、秋の日は短い。さっさと帰ろう。そう思って道を中之条方面に下っていって、途中で小さなダム湖の景色に気を取られてUターンしようとしたら・・・

転けた・・・


あちゃー、と思ったが、足場が良かったのか持ち方が良かったのか、意外に簡単に起こせた。このバイクはわりと気に入っているのだが、倒れると起こせないことだけが気に入らない。けど逆に、こうして転けて起こせると、何だか無駄に達成感を感じてむしろ気分が良い。

ちなみに、立ちゴケ程度ならもはや余計に壊れたり傷つくところもないので、機材的ダメージはない。

帰りは、暮坂峠・・・日本ロマンチック街道を東に走り、関越道を目指したが、途中でなんとも腹が減ってきたなと思い、「沢渡温泉」という方に。こじんまりしてひなびた温泉街・・・街というほどもないのか?といったところだったが、午後遅めにも関わらず開いている蕎麦屋さんがあったので一息つくことに。



胡桃ダレのつゆが面白く、蕎麦も石臼挽きというだけあって良い風味だった。よしのやさんと言う。またあちらを腹ぺこで通ったら寄らせていただこうかな。美人女将(手書き?のイラスト看板)も歓迎してくれるし。





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